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2026年度パタヤマラソン大会の入札中止

2026年5月27日夕方。
パタヤマラソン公式Facebookに、何とも香ばしい告示が投稿された。

公式Facebookの投稿の要約

決定事項

パタヤ市は、電子入札(e-bidding)で進めていた「2026年度 パタヤマラソン大会」の運営会社を決める入札を中止(取り消し)し、やり直す(再入札する)ことを決定しました。

中止の理由

応募が1社しかなく、さらにその企業に以下の不備・違反があったためです。
・必須であるプレゼンテーションに出席しなかった。
・提出された技術提案書の内容が、市の要求水準(仕様書:TOR)を満たしていなかった。

今後の対応

パタヤ市は法律(政府調達規則)に基づき、改めて適正に入札をやり直します。
今後の追加情報は公式Facebookページ(Pattaya Marathon)等で告知されます。

つまりどうゆうことなのか

開催予定日まで2カ月を切ったのに、未だにエントリーのアナウンスがなかったパタヤマラソン。
運営会社選定の競争入札が、不調に終わったとのこと。

個人的には、さほど驚くようなニュースではなく、「またか」とため息をつく類の、いつもの様式美でだ。

パタヤ市が5月1日に、運営会社の競争入社を公募したけど、応募が1社しかなくて、しかもその1社さえも、プレゼンに来ないし書類に不備もある。

つまり、競争入札の体をなしていないどころか、まともな業者すら捕まらなかったということだ。

2017年に厳格化されたタイの政府調達規則の手前、役人たちも後から汚職を疑われるリスクは冒したくない。
審査委員会が「ルール違反だから一発アウト」として入札を即座に叩き潰し、やり直しを宣言したのは、保身の意味でも妥当な判断かもしれない。

ただし勘違いしないで欲しい。

大会そのものの中止や、開催日の変更が決まったわけではない。
運営会社の競争入札のやり直しが決まっただけだ。

過去にもあった類似事例

タイに限らずだが、大型イベントの行政調達の舞台裏の常に泥臭い。

過去に類似の入札不調が起きた際、大会が辿っるパターンはだいたい2つに収束する。

パターンA:意地を通した挙句の「直前延期・中止」

準備不足を認めずタイムアウトを迎え、本番の数週間前に突然「延期」をブチ上げるパターンだ。

当然、SNSはホテルや航空券を無駄にされたランナーの阿鼻叫喚で大炎上する。
地方の知名度の低い大会ではたまに見られる、お粗末な結末だ。

前例1:ラン・フォー・デスティネーション2025(タイ・バンコク)

バンコクの有名なラマ9世公園で開催予定だったが、当日朝、会場に集まった数百〜千人以上のランナーの前に「主催者が誰も現れない」という信じられない事態が起きた。

直前までSNSで「開催する」と強弁し、ゼッケンやTシャツまで配っていたにもかかわらず、当日は号砲すら鳴らずに完全な放置。
ある意味で「伝説」となった大会だ。

前例2:カオヤイ・ワイルドブリーズラン2026(タイ・ナコンラチャシマ)

世界遺産カオヤイ国立公園の周辺で行われるはずだったトレイル系のランニングイベント。

約1800人ものランナーが現地に殺到したが、いざ開幕前夜になって「国立公園側が求める安全基準や宿泊・衛生施設の要件を、主催会社が全く満たせていない」ことが露呈。
行政からストップがかかり、直前でイベントは全面中止に。

国立公園の山奥に1800人のタイ人ランナーが路頭に迷う形で取り残され、最終的に警察が救助・避難誘導に乗り出すという前代未聞の結末を迎えた。

パターンB:ルールを捻じ曲げ、いつもの「お仲間」に泣きつく


時間がないため、首長が特権を使って「特命随意契約」に切り替え、過去に実績のある大手イベンターに「言い値でいいから明日から動いてくれ」と頭を下げるパターン。

これで帳尻を合わせるが、突貫工事ゆえに運営トラブルがセットで付いてくる。

事例3:バンコク・マラソン 2015(タイ・バンコク)

ハーフマラソン(21.1km)部門に新業者の計測・運営が導入されたが、コース誘導と距離測定の設計が完全に狂っていた。

ランナーたちが「走っても走ってもゴールが見えない」と困惑しながら走り切った結果、実際の走行距離はなんと約28km。ハーフマラソンなのに、約7kmも余計に走らされるという生き地獄を味わせた。

後日、主催者は「計測業者のミス」と全面的に謝罪し、参加者全員に「ハーフ+7km完走記念Tシャツ」を無料配布するという、なんともタイらしいシュールな方法で無理やり幕を引き、世界中でニュースになった。

事例4:郡山シティーマラソン 2024(日本)

入札で選ばれた計測業者のスキル不足、あるいは事前のテスト不足がモロに出た事例。

大会自体は予定通り開催されたものの、いざフタを開けてみると「中学生部門などで計測チップが一切反応しない」という致命的なシステムエラーが発生。
誰が1位で誰が3位なのか、当日の順位が全く分からなくなるという大失態を演じた。

結果、当日の表彰式は中止になり、後日、親や引率が撮影していたビデオ映像などをかき集めて順位を特定し、賞状を郵送し直すという泥縄式の対応を余儀なくされた。

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今年のパタヤマラソンはどうなるか

例年通りのスケジュールなら、開催は7月18日~19日。

現在は5月下旬だ。
本番まであと2ヶ月を切った段階でこの状態なのだから、普通の国なら絶望的なタイムスケジュールである。

しかし、ここは大人の事情が複雑に絡み合うパタヤだ。
国の観光誘致の看板でもあるため、メンツにかけても「パターンB:ルールを捻じ曲げ、いつもの「お仲間」に泣きつく」を選んでくると予測している。

どこからか救世主のような大手業者が現れ、何事もなかったかのようにエントリーが始まることを期待している。

ただし、しわ寄せは必ずランナーに来る。

当日の運営には多分に「マイペンライ(気にしない)」の精神が散りばめられるだろう。

私たちはその「グダグダ感」も含めて、タイのエンターテインメントとして消費する心の準備をしておくべきだ。

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