「旅」に出るぞ
エントリーしていた8月のダナン国際マラソンが、台風の影響で経由地の台湾で足止めされ、走れなかった。
こそで、ちょっと強引な日程だったけど、12月のアユタヤマラソンを走ることにした。
アユタヤマラソンへの参加は、目的は目的なのだけど、前年に参加したアンコールワット国際ハーフマラソンほど、大会そのものに魅力を感じていなかった。
12月後半のチェンマイマラソンでもよかったが、年末が近いと航空券が高くなるので、アユタヤマラソンを選択した。
はっきり言えば、今回のアユタヤマラソンは、タイへ行く口実でしかなかった。
航空会社は、ベトナム航空を初めて使った。
バンコクまでの往復航空券が約3万円。フルサービスキャリアなのにLCCよりも安かった。
11月末の朝6時過ぎ。キャリーバックを引きながら、地元の駅に向かう。寒い。
タンソンニャット空港で乗り換え
タンソンニャット空港でのトランジットは、ちょっと分かりづらいとネットで読んでいたけど、入国審査の反対側に行列ができていたので、すぐに分かった。
ただ、この行列がなかなか進まない。30分以上並んでやっと乗り継ぎ用の保安検査を抜けることができた。
列が進まない理由は、手荷物のX線検査機が1台しかないこと。係員の段取りも悪い。
もし乗り継ぎ間隔が短かったら、この長蛇の列は焦るだろうなと思う。
乗り継ぎ便の搭乗までは1時間ほど、プライオリティパスラウンジで過す。
ベトナム航空の機内食がイマイチだったので、ここでしっかりと食事を取らせてもらった。
タンソンニャット空港から、バンコクのスワンナプーム空港までは、2時間弱。
タイの入国カードを書いて、機内食を食べて、指差し会話帳で付け焼刃のタイ語を勉強していると、もう到着だ。
スワンナプーム空港の入国審査場に向かう長い通路を歩いていると、「戻ってきたぞ」って気持ちになる。
入国審査は、いつものようにメチャ混んでいたが、審査ブースがほぼ全部開いていたので、そんなに待たずに通過できた。
国鉄ファランボーン駅
朝7時、ホテルをチャックアウト。
キャリーケースをフロントに預け、マラソン用のウェアと一日分の着替えを入れたリュックを持って外出する。
この日は、翌日早朝のアユタヤマラソンに参加するため、アユタヤのホテルに宿泊する予定だ。
MRTでファランボーン駅へ行き、そこからタイ国鉄のファランボーン駅に移動。
国鉄ファランボーン駅は、2015年以来4年ぶりだけど、何も変わってない。レトロな感じは維持されたままだ。
変化の激しいバンコクで、ここだけは時間の流れが違うのかと思うほどだ。
それもそのはず、訪れた時は知らなかったが、もうすぐ閉鎖されて博物館になってしまうそうだ。
タイの国鉄を利用するのは初めてだ。
切符は、MRTやBTSのような自動販売機はなく、窓口で購入する。
オイラが乗るのは、8:20発の急行列車。エアコン付きの二等車。
「エイト・トゥエンティ、エクスプレス、トゥアユタヤ、セカンドクラスチケット、プリーズ」
窓口のオバチャンに言うと、二等車は通路側の席しか残ってないが良いかと聞き返された。
少し残念だったが、他に選択肢が思いつかなったのでOKする。
するとオバチャンは、オイラにパソコンのキーボードを差し出し、名前を入力しろと指示する。
指示されるままに名前を入力。無事に名前入り切符をゲットした
値段は、245バーツ(約880円)だった。
切符も手に入れ、出発まで30分ほどあったので、駅で朝食を取ることにした。
タイの国鉄の風景
出発時間の10分前にホームに向かい、列車に乗り込む。
指定の車両は、真ん中が壁で仕切られていて、入り口側はエアコンが付いていない。
オイラはエアコン付きの二等席なので、奥の側のドアを開けて座席に着く。
ただ、「エアコン付き」と言っても、基の車両がかなり古いディーゼル車で、エアコンも後付けのようだ。そんなに冷えてなく、なんとなく涼しい程度だった。
定刻にファランボーン駅を出発。
出発して間もない頃は、線路脇のあちらこちらにバラック小屋が見える。
明らかに鉄道の敷地内と思われる所にも建っている。
堂々と生活を営んでいる様子から、鉄道関係者か昔からの既得権者なのだろう。
10分ほどで次の駅に到着。
オイラの席から、ホームに吊るされた鐘が見えた。そして列車が出発する時。駅員がその鐘を鳴らした。
オイラが子供の頃も、地方の駅では、まだベルではなく鐘だったことを思い出した。
この時にタイの鉄道に乗らなかったら、思い出すこともなかっただろう遠い記憶だ。
車内には、何人かの物売りも乗車していた。「車内販売」でなく「物売り」だ。
軽食や飲み物が入ったビニール袋をぶら下げて、車内を歩いていた。
物売り達が販売している商品が重複していないことから、何かしらの管理がされているのだろうと思うが、購入するのにはやっぱり勇気がいる。
アユタヤマラソン受付
一息ついた後、マラソンの受付に出かける。
ホテルから受付会場まで10分ほど、公園脇の通りを歩いていると、トゥクトゥクやタクシーが、次からか次へと寄ってくる。
遺跡案内のトゥクトゥクやタクシーだ。もちろん全部断る。
マラソンの受付は、スムーズだった。
出場カテゴリーごとの列があって、どの列も20~30人ほどの人が並んでいた。
列の先頭まで到達すると、受付カウンターがある。
受付カウンターでエントリーシート見せ、少し先に進む。
1~2分も待つと、何台かあるモニターの一つにオイラのエントリーナンバーと名前に表示される。
モニターの前で再度エントリーシートが確認され、ゼッケン、記念Tシャツ、トートバックが渡される。
海外マラソンの受付はトラブルを覚悟しているので、拍子抜けだった。
この大会でもらった記念Tシャツは、気に入っていて、今でも時々スポーツジムで着ている。
大会スポンサーの銀聯カードのロゴが入っているためか、中国の方ですかと、ジムで声をかけられたこともあった
アユタヤマラソン出場
朝4時。スマホの目覚まし音で起床。マラソンの身支度をして、部屋を出る。
真っ暗なロビーを抜けてホテルを出て、徒歩でマラソン会場へ向かう。
アユタヤマラソンのスタートは、前日の受付と同じ場所で、ホテルから徒歩10分くらいの距離だ。
ホテルから出た直後は、そんなに暑さを感じなかったが、歩いているとうっすら汗ばんでくる。
オイラがエントリーしたハーフマラソンは、地元ランナーが7~8割ほどで、外国人比率はそんな高くないような気がする。
定刻の5時30分、かなり地味にスタート。
後方からのスタートだったからか、周囲はかなりのスローペース。
7分/kmのペースで走っても、周囲よりだいぶ早い感じだ。
2Km辺りでワット・プラ・マハタートの前を通り過ぎるが、暗くてよくわからない。
13Km付近、勾配のある橋を走って登れそうになかったので歩いてしまうと、暑さもあって気持ちが切れてしまった。その後は、走ったり歩いたりの繰り返し。
20Km付近からは遺跡のすぐ脇を走るコースに戻ったけど、遺跡を眺めるそんな余裕なんてない。
ヘロヘロ状態で、なんとかゴール。
アユタヤマラソンは、前年に走ったアンコールワット国際ハーフマラソンが良過ぎたのもあって、ちょっと期待外れ感があったのが、正直な感想。
給水は2~3Kmごとにあって十分。給食はバナナとスイカだけだったが10Km付近と19Km付近にあった。
沿道の応援はほとんどなくて、ちょっと寂しい。
途中に交通規制されていない交差点があって、ほんの少しだったが信号待ちした。
マラソンゴール後
アユタヤマラソンのゴール後、完走メダルと、会場で飲食できるクーポン券をもらう。
ゴールしたら、まずは水かスポーツドリンクをくれよと思うが、配っていなかった。南国のレースで、これはない。
会場内のセルフ給水器には、ゴールしたランナーが群がっていた。
クーポン券は、タイ料理3枚とスイーツ2枚の5枚セット。会場内に屋台が10店くらい出ていて、そこで使える。
全部使い切ったら、お腹いっぱいになった。
一息ついて、ホテルまで徒歩で戻る。
マラソンの後なのでトゥクトゥクを使いたかったが、お金を忘れて来た。
身支度をして、ホテルをチェックアウト。
来た時に着ていた服も、ランニングウェアもゴミ箱行き。
リュックの中には、貴重品とアユタヤマラソンの参加記念品しか入っていない。スカスカだ。
駅まで歩くのは辛いので、フロントのオバチャンにトゥクトゥクを呼んでもらう。
ホテルからアユタヤ駅まで80バーツ(約290円)。朝のアユタヤの街を結構なスピードで疾走する。
バンコク行きの次の列車は、1時間半後の各駅停車だ。
各駅停車は三等車しかなくて、全て自由席。二等車の指定を取ろうと思ってちょっと早めに来たのに、当てが外れた。
タイ国鉄の三等車
汽車の時間が近くなってきた。
狭いホームには、けっこうな人が出ていた。オイラと同じアユタヤマラソンに参加したと思われる欧米人も沢山いた。
自由席なので座席が確保できるか心配だったが、車内はそんなに混んでなくて、簡単に座ることができた。
各駅停車の三等車の料金は15バーツ(約55円)。
往路の急行の二等車が、245バーツ(約880円)だったのを思うと、メチャ安い。
バンコクとアユタヤ間は、急行も各駅停車も停車駅があまり変わらなのでので、乗車時間もほとんど変わらない。
エアコンは付いていないが、窓が開けられて風が入ってくるので暑さもさほど感じない。
混んでいて座れないリスクと、悪天候で窓が開けられないリスクがあるが、それを受容できれば、各駅停車の三等車も全然アリだ。
ほぼ定刻どおりに、ファランボーン駅に到着。
ハーフマラソンも走しり終えたし、あとはバンコクで気楽に遊ぶだけだ。
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